3回目の面談は、最初のFAXを送ってから1ヶ月を過ぎた頃でした。
前回の面談で私はパニックになってしまいましたが、
支援を止めてもらうことはしませんでした。
たった1ヶ月のことですが、
「ここまでの頑張りを無駄にしたくない」
そんな気持ちが、少しずつ芽生えていたのです。
私は昔から、先のことが分からないと強く不安になるタイプでした。
不安を少しでも和らげるために、
頭の中で何度もシミュレーションをして、
安心しようとしてしまうクセがあります。
その頃の私は、
「担当の就労支援員の方がついたということは、次の面談では仕事について話すことになるんじゃないか」
と、勝手に想像していました。
もし仕事の話になった時、少しでも自分の考えを説明できるようにしておいたほうがいいのではないか…
私は、以前から気になっていたアルバイトの求人広告を持って行くことにしました。
面接が怖くて、ずっと応募できずにいた求人でした。
ですが、面談に対する私の本当の気持ちは、別のところにありました。
24年間のひきこもり生活から、やっとの思いで抜け出そうとしている自分を、
まずは理解してほしかったのです。
人と会うことに慣れる練習をしたい。
安心して話せる場所がほしい。
当時の私は、そんな気持ちを「甘え」だと思っていました。
ですが、その機関は、ひきこもり専門の相談窓口というより、
生活全般や就労も含めて支援する公的機関だったのです。
だからこそ、早い段階で就労支援員の方が担当についたのだと思います。
今振り返れば、私はその支援の流れとのギャップについていけなかったのだと思います。
「安心できる場所を求めていた私」と、
「具体的な仕事の話を進めようとする支援」。
そのズレが、前回の面談で私をパニックにさせたのだと、今なら分かります。
そして今回の面談で、想像していた通り、仕事の話が始まりました。
就労支援員の方に、
「どんな仕事がしたいのか」
ざっくりでも説明できないといけないのではないか。
そう思えば思うほど、私はうまく話せなくなっていきました。
二人の支援員の方を前にすると、
「人と会うのが怖い」
という感覚が、
また強くなってしまっていたからです。
今から思えば、
「人が怖くて、うまく話せません」
と、その場で相談すればよかったのかもしれません。
ですが当時の私は、それすら言えないほど、
人とのコミュニケーションに強い苦手意識を持っていました。
そんな自分が、たまらなく嫌でした。
それでも、私は諦めたくありませんでした。
勇気を出して、自分が持ってきたアルバイトの求人について話しました。
「こういう感じで、人と関わらなくて済む仕事がしたいです。でも……面接が怖いんです」
震える気持ちを抑えながら伝えた言葉を、
就労支援員の方は、しっかり受け止めてくれました。
後日、その会社に連絡を取り、私が応募できるかどうか確認してくれることになったのです。
