支援機関にFAXを送ったことを、私は誰にも話しませんでした。
当時、私は図書館を利用していて、
読みたい本を予約するためにFAXを使うことがありました。
だから、支援機関に連絡するときも、
図書館に送るふりをしてFAXを送りました。
本当の宛先を、親に知られたくなかったからです。
ひきこもりから抜け出せるかどうかも分からない。
うまくいく保証もない。
それなのに、
親に先に知られて、否定されたり、
訳のわからない機関に勝手に連絡した、と激怒されるのが怖かった。
親との関係は、良いとは言えませんでした。
私はどこかで、
「親のせいで、ひきこもりになった」と思っていました。
だからこそ、支援機関に相談することを知られたくなかったのです。
FAXの送信ボタンを押したあと、急に怖くなりました。
返信が来なかったらどうしよう。
親が先に支援機関から届いた返事を読んでしまったらどうしよう。
本当に支援が受けられるのか。
もし受けられたら、今度は人と会わなければならない。
人と会うのが怖い。
期待よりも、不安のほうが大きかったです。
たった一枚のFAXなのに、
体が震えるほど怖かったのを覚えています。
それから数日間、
FAXが鳴るかもしれないと思うだけで、胸がざわつきました。

