ひきこもり24年間から社会へ | 勇気を出して送信ボタンを押した日 03

支援機関にFAXを送ったことを、私は誰にも話しませんでした。

当時、私は図書館を利用していて、

読みたい本を予約するためにFAXを使うことがありました。

だから、支援機関に連絡するときも、

図書館に送るふりをしてFAXを送りました。

本当の宛先を、親に知られたくなかったからです。

ひきこもりから抜け出せるかどうかも分からない。

うまくいく保証もない。

それなのに、

親に先に知られて、否定されたり、

訳のわからない機関に勝手に連絡した、と激怒されるのが怖かった。

親との関係は、良いとは言えませんでした。

私はどこかで、

「親のせいで、ひきこもりになった」と思っていました。

だからこそ、支援機関に相談することを知られたくなかったのです。

FAXの送信ボタンを押したあと、急に怖くなりました。

返信が来なかったらどうしよう。

親が先に支援機関から届いた返事を読んでしまったらどうしよう。

本当に支援が受けられるのか。

もし受けられたら、今度は人と会わなければならない。

人と会うのが怖い。

期待よりも、不安のほうが大きかったです。

たった一枚のFAXなのに、

体が震えるほど怖かったのを覚えています。

それから数日間、

FAXが鳴るかもしれないと思うだけで、胸がざわつきました。

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